数理/パズル

 またまた帽子のパズル

一列に並んでいる無限の人に赤か青かどちらかの帽子がかぶせられているのを想像してほしい。それぞれの人は、自分の帽子の色を知ることはできないが、他の人の帽子の色をすべて知っているとする。それぞれの人の帽子の色はコインを投げてランダムに決められ…

 認知不協和(Cognitive Dissonance)に関する実験

心理学で、サルを使った次のような有名な実験があるらしい。 まず猿に赤と青のM&Mのどちらかを選ばせ、赤を選んだ場合、次に青と緑から1つ選ばせる。この場合、青と緑では緑のM&Mを選ぶ確率が高くなることから、赤と青では赤の方が好みだっただけなのに「青…

 David Gale (1921-2008)

デビッド・ゲールが亡くなっていたとは知らなかった。去年の夏ストーニー・ブルックに招待された時に、彼の85歳記念のカンファレンスと誕生日記念ディナーがあって、そこで初めて見かけたんだが、その時はまだまだ元気そうだったのに。 そのカンファレンスの…

 続き 

これは、話がちょっと気持ち悪くなるなあ。それぞれの家族を見てみると、確率1/2で男子1人が生まれてそこでやめ。確率1/4で女子1人が最初に生まれて男子が2人うまれてストップ。一般的には、確率1/2^nで男子2^(n-1)人と女子2^(n-1)-1がいる家族がでてくる。…

 男女の産み分け2

この話の続きだけど、でも、後から生まれてくる男の子と女の子の数にウェイトをかけてやったらどうだろう。2回目で男の子または女の子が生まれた場合は2人分として数えることにする。3回目なら、4人分、n回目なら2のn−1乗分。いや、面倒くさいから、…

 男女の産み分け

男女の性比が不均等になること(追記:リンク間違えてました)に対して、次のような説明がされることがある。「どうしても男の子が欲しい家庭では、男の子が生まれるまで子供を産んで、男の子が生まれたところで子供を作るのをやめる、ということがしばしばあ…

 無限論の教室 

無限論の教室 (講談社現代新書)作者: 野矢茂樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/09/18メディア: 新書購入: 24人 クリック: 198回この商品を含むブログ (169件) を見る 残り二冊の新書は、前の二冊より、ちょっと食い足りなかった。これはそのうちの一冊…

 通貨のパズル

この前のPodcastのリンクから、Russ Robertsのブログ、Cafe Hayekにいってみて偶然次のようなパズルを見つけた。 アメリカ人の旅行者が、人里はなれた小島に休暇を過ごしに出かける。その島の地元の人達は、物々交換による生活を営んでおり、貨幣を使わない…

 コウルズ財団

コウルズ財団主催の会議に参加してきました。マクロ、計量、理論、ミクロ構造計量の4つのセクションからなる、1週間に及ぶ会議です。写真は、イェール大学ヒルハウス通り沿いにあるコウルズ財団の本部ですが、ここではちょっと狭すぎるので、Yaleのビジネス…

 明日の天気を(平均して)必ず当てる方法

明日の降水確率が10%とかいうが、あの「10%」って何のことだろう。明日の10分の1の間、雨が降るだろうってことか。いや、そうじゃない。明日雨が降る確率が10%で、降らない確率が90%ってことだろう。 まあとりあえずそうだとしておいて、じゃ…

 カードめくりのパズル

またNYに滞在中。西海岸と東海岸を行ったり来たりするのはしんどい。が、この後は暫くはNYに来ることはないだろう。 さて、某所で見つけたパズル(の1バージョン)。4人の人がいます。ある部屋に、裏にその4人の名前が書いてある4枚のカードが一列に並べて…

 世界中の誰でも、友達の友達の友達の友達の友達だ

と、よく言われる。どんな人でも、自分の知り合いの知り合い......と数えていくと、大体5人以内(6人だったかな)でたどり着くことが出来るということらしい。これは、どれぐらいありえそうな話か?ちょっと、チラシの裏で計算をしてみよう。世界中にN人の人…

 オークションの問題2

リンク先に解答があるんだが、一応簡略な解答を。賞品を獲得した人が、相手の入札額の2倍を払う、というのが答え。何故か?相手の入札額をb、自分の評価額をvとする。この支払いルールに従うと、自分の利得は、(bとv以外には)自分が買ったか負けたかに…

 オークションの問題

つぎのような秘密入札方式 (個々の参加者はほかの参加者の入札額が分からない方式) のヘンなオークションを考える.ただし,参加者は2人とし,参加は強制されるとする (罰ゲームのようなもの).オークションの対象となる賞品は,入札額のいちばん高い入札者 …

 小人のパズル

というのを、キーワードで発見。こんな奴。 百人の小人が怪獣に捕まってしまいました。小人たちが怪獣に命乞いをしたところ、条件を出されました。 怪獣が小人たちを縦に一列に並べ、それぞれの小人の頭に赤か黄色か青のうちのどれか一色の帽子を被せます。…

 アローの不可能性定理その2

さて、約束どおり、日記一日分で証明してみる。*1 定理. (UD),(P),(IIA)を満たす社会的ルールfは、(ND)を満たさない。 証明.1.選択肢aがすべての人のランキングの最下位にあるとする。すると、(P)により社会的選好においてもaは最下位にある。2.1のような…

 アローの不可能性定理

というわけで、アローの不可能性定理をきちんと説明してみる。N人の人がいて、すくなくとも3つ以上の選択肢、a,b,c,d,...があるとする。それぞれの選択肢は、一つの社会状態に対応している。例えば、一人首相を選ばなければならないときには、a,b,c,d,...が…

 グリコのおまけ

id:noripyさんのところで見つけた問題。1種類だと1箱。2種類だと平均して3箱。 n種類では......。 問題. 今回のグリコにはn種類のおまけがある。これを全部そろえるためには、平均何箱のグリコを買う必要があるか。ただし、ゾロ目であっても出る確率…

 刑の厳罰化は、犯罪を減らさない?

犯罪をなくすにはどうすればいいか。全ての犯罪に死刑を適用すればよい。というのは冗談だが、犯罪をする人間を減らすには罰を重くすれば良いと考える人は多い。ベッカーとかも、そんなことを言っていたはず。しかし本当にそうか? 次のような思考実験をして…

 2つの封筒のパラドックスの変形問題 追記

問題を次のように変えると、答えも変わるのでは.......まずAが、適当に2つの異なる数字を選ぶ。Bは、Aが選んだそのうち一方の数字を見た後、それが大きい方の数字か小さい方の数字かを当てる。ただし、Bは、Aがどのように2つの数字を選び、かつ、そのうちの…

 2つの封筒のパラドックスの変形問題 その2

次のような戦略を考えてみる。「見た数がaと等しいかそれより大きければ、大きいと、aより小さければ、小さいと言う。」 2つの確率変数をX1,X2と表すと、次のような三つのケースが考えられる。 ケース1: or -> 100%正解 ケース2: -> 50%正解 ケース3: -> …

 2つの封筒のパラドックスの変形問題

確率的な思考を見につけることは本当に難しい。直観にあわないパラドックスを生み出す確率の問題の豊富さには、本当に関心する。例えば、2つの封筒のパラドックスに関連した、次のようなギャンブルの問題を考えてみる。 まずAが、適当に2つの異なる数字を選…

 臓器移植の経済学 その3

さて、これらのモデルは、ただの机上の空論ではない。 Al Rothのところで見つけた、最近の記事へのリンクはこちら。ttp://www.boston.com/news/nation/articles/2004/06/05/cross_donor_system_planned_for_regions_kidney?mode=PF (Boston Globe)ttp://www…

 臓器移植の経済学 その2

まず、いくつかメカニズムの満たすべき要件が考えられる。単純化のために、間接的交換のオプションがないとして、次のようなメカニズムを考えてみる。n人の患者がどのドナーの腎臓を希望するか同時にアナウンスし、 上の例のように2組のペアの希望が一致し…

 臓器移植の経済学 その1

臓器移植の経済学*1といっても、腎臓いくら、肝臓いくらという物騒な話ではない。ではいったい何の話か?通常は、臓器移植とは臓器の贈与であり交換ではないのだから、ブラックマーケットを除けば、そこに近代経済学の入り込む余地はないように見える。しか…

 負けるギャンブル+負けるギャンブル=勝てるギャンブル?

次のような二つのギャンブルを考える。 ギャンブルA 確率1/2−eで$1勝つ。確率1/2+eで$1負ける。*1 ギャンブルB 二つの場合がある。自分の資金が3の倍数の時には、確率1/10−eで$1勝つ。確率9/10+eで$1負ける。 そうでない時には、確率3/4−eで$1勝…

 追記

タグが使えないと思うので、コメント欄じゃなくてこちらに。こことか、NATROMさんのところに、変形版モンティ・ホール問題がありますね。問題ではAを選んだことを前提として話が進んでいますが、実はもし可能ならCから始めたほうが良いのです。前者のサイト…

 再びモンティ・ホール問題

授業でモンティ・ホール・ジレンマの話をしたら、ある学生が、面白い変種の問題を教えてくれた。前と同じように、あなたは、あるゲームショウに出ていて、賞品は新車のBMWだとする。あなたの前には四つの扉が並んでいる。もちろん当たりの扉は一つだけ。まず…

 パズルの解答

1番目は簡単なので、2番目と3番目だけ(ちょっと手抜きした)解答を。

 マリリンに聞こう!

前に紹介した本から、いくつか面白そうなパズルを選んでみる。最初の二つはマーティン・ガードナーのもの。(以下は逐語訳ではなく、適当に書き換えてあります) 52枚のトランプから、友人がランダムに10枚引いた。「エースを持っている?」ときくと、「ああ…