またまた帽子のパズル


一列に並んでいる無限の人に赤か青かどちらかの帽子がかぶせられているのを想像してほしい。それぞれの人は、自分の帽子の色を知ることはできないが、他の人の帽子の色をすべて知っているとする。それぞれの人の帽子の色はコインを投げてランダムに決められ、赤あるいは青になる確率はちょうど半々である。

理不尽なことだが、この人たちは自分の帽子の色を当てれば助かるが、はずしたら殺されてしまうとする。さて、すべての人が同時に自分の帽子の色を答えるとしたときに、たかだか有限の数の人しか死なないようにする方法はあるだろうか?


こういう方法を考えてみよう。その中からどの2つの帽子の並び方をとっても帽子の色が違う人が有限の数しかいないような帽子の並び方をすべて集めたグループを考える。たとえばたかだか有限の数の人以外は青い帽子をかぶっているという組み合わせをすべて考えれば、それはひとつのグループになる。すると、赤と青の帽子のすべての可能な順序を別々の(無限に存在する)グループに分解することができる。

さて、それぞれのグループからひとつづつ帽子の並べ方を選んでそれをそのグループの代表と考えることにしよう。で、次のような戦略を考える: 

各人は、自分以外の他の人の帽子を見て実際の帽子の並び方がどのグループに属するか判断して、そのグループを代表する並び方を選ぶ。

すると不思議なことに、有限の人数の人以外は自分の帽子の色を当てることができる。なぜなら全ての人が正しいグループを選択するし、実際の帽子の並び方とグループの代表の並び方にはグループの定義より有限個の違いしかないからだ。


追記:ここで悪さをしているのは選択公理です。