最後の一人


そもそもは、経済学者の倫理感覚は他の分野の人と違うよね、っていう話をパーティでしてて。

一つ挙げられた例は、こんなのだ。世界に二人の人間、個人1と個人2しか残されていないとする。で、個人1が個人2を殺してしまったとしよう。この場合、個人1は罰せられる(例えば死罪)べき理由があるだろうか?僕は、犯罪抑止の意味がないから功利的な議論は出来ないし、そもそもパレートの意味でも処罰に(本人が是非受けたいというのでない限り)意味がないから、個人1が処罰を受ける合理的な理由は見あたらない、って答えたんだけど、彼に言わせると、そう思わない人はたくさんいるだろうとのこと。でも、大学の人達の間だったら僕の意見のほうが多数派だと思うんだけど、どうだろう。


で、僕はそんな極限的な問題よりももっとベタな問題があるだろ、と思って前の話をしたんだった。