ミネアポリス探訪 (3) - ミネアポリス美術館


ミネアポリス美術館(Minneapolis Institute of Arts)はダウンタウンの南にあるこじんまりとした美術館。

ここは入館料が無料。週末はそれに加えて、なんとオーディオガイドも無料(日本語ガイドがあったかは覚えてない)。無料だけあって、質はそれほどよくないけれどね。


ここで一番面白かったのは、四川で見つかった後漢東漢)時代の青銅製「金のなる木」(Money Tree)。とても精巧な装飾がなされている。木の枝には様々な動物とともにたくさんの貨幣がぶら下がっていて、枝の上には西母王の姿があり、そして木の頂上には不死鳥が鎮座している。


何かと東アジア系(特に中国)の展示が充実してるようだが、次の写真はチベットの砂曼荼羅。作ったすぐ後に樹脂を吹き付けて定着させたらしいのだけど、これって出来た後は崩して川に流さなきゃいけないんじゃなかったっけ?

とても綺麗に見えるが、拡大してみると陰惨な光景も描かれていることが分かる。一番外側の黒い円が現世に対応していて、ここでは人間があらゆる仕方で惨殺されている姿が描かれている(トラに食われたり、鳥についばまれたり)。そして内側に行くにしたがって、より抽象的で明るい世界に移る。たしか、外側から内側への移動が死んだ人間の通る道に対応しているとかなんとかという話だったと思う。


印象派のところで、とてもなじみのある絵を見つけた。

僕の好きなサージェントの、彼にしては珍しく人物画ではない”Luxembourg Gardens at Twilight”(「薄明かりのルクセンブルグ公園」)だ。はて、これは確か昔実物を見たはずだ、ミネアポリス美術館に来るのは初めてなのに?、と思って後で調べてみると、何のことはない、サージェントの、 ”In the Luxembourg Gardens”(「ルクセンブルグ公園にて」)フィラデルフィア美術館で何度も見ていたのだった。


美術館自体は静かな住宅街の中にあり、その前には落ち着いた雰囲気の公園がある。ここのベンチに座って本を読み、手作りのサンドウィッチなど昼ごはんに食べながら、ミネソタの短い夏を満喫するのだ。