政治学におけるフォーマル・セオリー(Formal Political Theory)


最近政治学の某トップジャーナルに投稿された論文のレフェリーをしたが、多少毛色の変わったものを読むのも面白い。もちろん僕にお鉢が回ってきたのは、その論文が経済学の論文に近いスタイルで書かれているからだ。最近政治学ではこのようないわゆるフォーマル・セオリー(あるいは合理的選択理論(Rational Choice Theory))と呼ばれるアプローチと、伝統的なアプローチ(一枚岩ではない)の間の競争が激しくなっている、と聞いているが、現在の趨勢はどうなんだろう?「フォーマルは一時の勢いを失った」とか、逆に「フォーマルじゃなきゃ科学じゃない」とか、人によって言うことが違うから、外野から見ると今ひとつ分からない。もちろん経済学者の側から見れば、耳に入ってくるのはフォーマル系の仕事が多いんだけど、これはバイアスがかかってるんだろうなあ。