Pleasant Surprise

Aumann and Schelling! 予想を完全に外されてしまった。もちろん、いい意味でだが。二人とも、十分ノーベル賞を受けるにふさわしい人物である。

受賞理由は、"for having enhanced our understanding of conflict and cooperation through game-theory analysis"ということらしい。主著が「The strategy of conflict」であるSchellingにはぴったりだが、Aumannには、いまいちしっくりこないような気がする。"conflict and cooperation"がお題なら、Axelrodにもあげたいような気がする。(経済学内での影響は限られたものだったが、彼の"Evolution and Cooperation"の広範な影響は見逃せない。Google Scholarでチェックすると、なんとこれ一冊の引用回数が3961回(!)である。)*1

Aumannの最も重要な貢献は、スウェーデン銀行がなんと言おうが、やはり共有知識関連だろう。彼の名は、特に"Agree to Disagree"、Annals of Statistics (1976)によって将来記憶されることになるに違いない。

詳しい両者の貢献については、ここのTyler Cowenのコメントをチェックしてほしい。


ところで、まさかこれでShapleyにノーベル賞を与えないんじゃ仁義が通らないだろう?そうじゃなかったらShapleyがカワイソ過ぎる。これは、Shapleyがマッチングで取ることへの布石となっている......のか?

*1:Google Scholarでは、学者の名前を打ち込むと、仕事一覧とそれらの引用回数などの情報を返してくれる。いろいろ適当な名前を入れて遊ぶと、よい暇つぶしになるだろう。ちなみにSchellingの最も引用された本"conflict and cooperation"は、1369回引用されており、Aumannの最も引用された論文"Agree to Disagree"は、422回引用されている。