IQだけでは量れない


ヘックマンの一般向けの講演にいく。こんな話をしていた。


1.収入や最終学歴とIQ(認知的能力)には正の相関がある。


2.しかし「非認知的能力」(動機付け、パーソナリティ、モラル意識、忍耐力、計画性などなど)とも正の相関がある。解釈としては、「やれば出来る」の部分が結構あるということ。


3. 能力の差は早いうち(幼稚園に入る前)に開く。


4. 教育投資は早いほうがより効果的。幼児を対象とした政府のプログラムがIQに余り影響を与えなかった(一時的に上昇するが後で効果が消えた)ので失敗とみなされたことがあったが、そのようなプログラムは実は「非認知的能力」を上昇させる効果がある。


5.「非認知的能力」は、家族構成と密接な関係がある。例えばシングルマザーの子供の「非認知的能力」は、両親のいる家庭の子供の能力より統計的に低い。(とすると例えば、幼い子供がいるシングルマザーの家庭を重点的に補助すべきという政策的インプリケーションになるか。)