不思議な話


不思議な話を梅田さんが紹介している。将棋では決まった筋の変化をぺんぺん草も残さないまでに調べあげることが多いから、同一局面が現れることは実は思われているより結構多い。ただ、お通夜の日に絶局と同局面が現れるとは、シンクロ二シティも極まれりという感じ。

しかし真部八段の訃報には、驚いた。昔小学生のころ将棋にのめりこんでいた時期があって、いろいろ将棋雑誌を読んでいたから、彼のことはよく覚えている。若くてハンサムで、たしかあだ名は「貴公子」ではなかったか。


ところで、当時僕はそこらじゅうの大人を負かして天狗になっていて、自分は奨励会に行ってプロになるんだと思っていた。でもそんなある日、ある小学生の将棋大会で、「森内くん」という少年にこてんぱんにやられてしまって、それっきり将棋をやめてしまった。「あ、プロになるのはこういう人なんだ」とか、思った記憶がある。こうやって学者をやっているのも、彼のおかげかもしれない。向こうは覚えていないだろうが。