ジョン・ベイツ・クラークメダルが初めて女性の経済学者に


2年に一度、優れたインパクトのある研究をした40歳以下のアメリカの経済学者に授与される、ジョン・ベイツ・クラークメダルという賞がある。とても権威のあるもので、この賞をとった人の40%近くが後々ノーベル賞を取っているという代物だ。例えば過去の受賞者をみるとサミュエルソンフリードマン、クルッグマンなど良く知られている名前が並んでいる。そうそう、あのレーヴィットは、前々回の受賞者だった。そのメダルが、今回はハーヴァードのスーザン・エシィ(Susan Athey)に授与されることになった。女性の経済学者としては初めてだ。マイノリティである女性の経済学者には朗報だろう。彼女がロールモデルになって、優秀な女性がどんどん経済学に参入してくるようになると、経済学もより面白くなりそうだ。


スーザンとは何回か話したことがあるけど、ものすごく頭の回転が速い人、という印象がある。あと彼女はなかなか骨のありそうな人で、そういえば、サマーズがあの失言をしたときに *1、次の計量経済学会の定期ミーティングのプログラムチェアが彼女だったんだけど、そこでミーティングの運営委員を全部女性の経済学者で固めたっていうことがあったっけ。まあ、実際にサマーズの発言へのカウンターのつもりだったのかどうかは、よくわからないけど。


ところで、日本人でクラークメダルを取った人は、誰もいない(アメリシチズンじゃないといけないのかも)。日本人のアメリカ経済学会でのプレゼンスがまだまだ小さい事の反映かも。今週は、東海岸の某有名大学に就職することになったとても優秀な日本人の大学院生をセミナーに呼んだんだけど(見てるかな?)、彼のようにアメリカで活躍する人がだんだん増えているのはうれしい。そして、そのうち日本人の中からもメダルをとる人が出てくるかも?

*1:サマーズもクラーク・メダル受賞者。