Rosa Parks dies

"A small group of thoughtful people could change the world. Indeed, it's the only thing that ever has." - Margaret Mead


アメリカの市民権運動の母であるローザ・パークスが、24日に亡くなった。


それは、小さな事件がきっかけだった。1955年、アラバマ州モンゴメリーでのこと、混み合ったバスの中で、運転手が、彼女を含めた数人の黒人に、白人の男性に席を譲るようにと呼びかけた。彼女以外はその指示に従ったが、彼女は拒否し、決して立ち上がらず、その場で呼び出された警察官によって逮捕された。当時は、モンゴメリーのsegregation lawにより、混み合っている時には、黒人はバスの中央付近にある席を白人に譲らなくてはいけないとされていたからだ。*1


後は、ご存知のとおり、市民権運動の歴史そのものである。この事件に抗議する声の中からMontgomery Improvement Associationが生まれ、そのリ−ダーシップのもと、モンゴメリーの黒人達は徹底的にバスをボイコットした。このボイコットは、翌年に最高裁がsegregation lawは憲法違反であるという判断を下すまで、1年以上も続くことになる。そして、この時にMontgomery Improvement Associationのリーダーとして頭角を現したのが、あのキング牧師だ。


席を譲らないという"小さな"ことが、これほど大きなムーブメントにつながったという、このあたかも神話的ともいえるようなエピソードは、いかにもアメリカ的なそれである。一人の人間でもこれだけのことができる、全ては一人一人の生活から始まっている、というエピソードを起源に持っていることは、アメリカの市民権運動、及びそれに関連した政治運動が腰の据わっている理由の一つに違いない。



記事:
http://www.achievement.org/autodoc/page/par0bio-1
http://www.cnn.com/2005/US/10/24/parks.obit/

*1:今日では、もちろんこのような法律は存在しない。バスに乗る人々の大半が有色人種であることは、今も昔と変わらないが。