Perfumeの衝撃(あるいはサブカル的なものの逆襲)


Perfumeは僕らのあたりの世代にもかなり(熱狂的に?)支持されているようだけど、これはアイドルとしては珍しいことで、いったい何故なんだろうかと考えてしまう。一つにはPerfumeの楽曲にいろいろと懐かしい要素が入っているということが確かにあって、だから巷ではYMOとかテクノとかの言葉があふれているけど、そしてそれは必ずしも間違ってはいないけど、実際の流れはもっと大きい。


僕らの世代(20代後半から40代前半ぐらいかな)にとってPerfume現象が持つ意味を一言でまとめるとすると、これは「サブカル」の逆襲であり、そしてそれがついに「表」の日本の音楽業界を初めて制覇しつつある、ということになると思う。


ここでの(懐かしい)キーワードは、洋楽、渋谷系、クラブミュージック、ワールド・ミュージックetc. 僕らの世代でPerfumeを支持しているのは、こういうのが好き(だった)で、現状のJ-Popに今ひとつ物足りなさを感じている人達だろう。これは別に日本のアーティストがだめだといってるわけじゃない。いい音楽をやりながら、アルバムを数千枚かそれ以上売り、ライブはいつも満員、というやつらはいくらでもいる。ただ、かなり有名になっても、そういうアーティストのファン層はよく分かっている人達で閉じてしまって、それ以上の広がりをもつことはない。それはPerfume現象とは全く違う。


彼らにPerfumeがこれほど受けるのは、彼女達が、これほどいけてる音楽をやっているにも関わらず、国民的アイドルになる可能性を秘めているからに他ならない。高い音楽性/エンターテイメント性を保ちつつ、かつモーニング娘とガチンコで勝負できるほどキャッチーなポップを歌って、踊れる、ついに出て来た最終兵器、それがPerfumeだ。 ここは未だ正面きって戦われたことのない戦線であり、だから彼女達が失敗すれば、このチャンスが現実化しなければ、それは「俺達のカルチャーの敗北」ということになるだろう。うれしいことに、この心配は杞憂に終わりそうだけど。