ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ [DVD]

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ [DVD]

天才マックスの世界 [DVD]

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たまたまビデオ屋で手にとった “Rushmore”(天才マックスの世界)が気に入ったので、この監督ウェス・アンダーソンの“The Royal Tenenbaums”(ザ・ロイヤル・テネンバウムズ) を借りてきたら、これがまたツボにはまるはまる。2001年は “Beautiful Mind”がオスカーを取るようなしょぼい年だと思ってたけど、ちゃんと良い映画があるではないか。


テネンバウム家の、天才3兄弟の子供時代の紹介で始まるオープニングは圧巻。長男のChasは、子供のときから事業に才能を発揮。ダルメシアン柄のねずみを交配して作り出して、リトル・トーキョーで売りさばく。養子のMargoは、小学生のときから劇の脚本を書き、$50000(?)のフェローシップを獲得。父親は、彼女を紹介するとき、「養子の」をいつも枕詞につける。次男のRichieは、テニスの天才で、USオープンを2年連続制覇。MargoとRichieは、いっしょに家出をして、博物館のアフリカセクションに隠れて、ルートビアとクッキーで一週間サバイバルしたことがある。その5年後、Margoは今度は一人で家出をして、半分指を無くして帰ってくる...

それから22年後、30代になった天才3兄弟は、昔の輝きを失って日々をもてあましている。そんなところへ、家から離婚同然で追い出されてここ数年全く音沙汰が無かった父が急に帰ってきて、また家族みんなでいっしょに暮らそうと言い出す。何故今更と問いただしてみると、彼は後6週間の命なのだという......


これはまあ、いわゆる家族ものの映画ということになるだろう。別に家族の再生というわけでもないのだが。ウェス・アンダーソンは、もう一人のアンダーソン(P.T.)と並んで、目が離せない監督の一人だ。