ミネアポリスに引越し


今いる大学で、来年からテニュア(終身雇用権)の審査が始まる予定だったのですが、その前に中西部にある某大学からお声がかかったので、そちらに移ることになりました。


というわけで、今ミネアポリスでアパートを物色中。すると、行く先々で、"Welcome to Minnesota"っていわれる。僕が日本からきた日本人なら、"Welcome to America"なんだろうけど、カリフォルニアから来たっていうから、そうなる、んだろうな。これは、日本でいえば、奈良から来た人に「秋田にようこそ」、とか、山形から来た人に「神奈川にようこそ」、とか、そういうことだよね。でも、こういうこと、日本で言うかなあ。アメリカの郷土アイデンティティって、やっぱり日本のそれとは違うような気がする(っていうか絶対違う)。「オレも一時はカリフォルニアに住んでたけど、こっちの方がみんな人情味があって、楽しいんだよ」と、コンドを見せてくれたヴェトナム人夫妻。そうっすか。


アパートを探している合間に、この前崩壊した橋の周りを何度か通りかかる。そういえば、最初は一週間前に来ようとしてたから、実は巻き込まれていてもおかしくなかったわけだ。ちょっとどんな感じか見てみようと、車を降り、崩れた端の近くにある、ストーン・アーチ・ブリッジ(Stone Arch Bridge)という橋を歩いて渡ってみた。周りは、見物する人たちで大賑わい。でもこれでも今は大分人が減ったらしくて、最初は一時間に一万人ほどの凄い人手だったらしい(と道端の人が言っていた。本当かね。)実は、もっとよく見える場所があって、それはUniverisity Aveから35Wを北に入るところ。そこからちょうど南を見ると、35wが空に向けて不自然な角度であがっていって、そこでぷっつりなくなっている。


"......This is really a historical event, you got to see it."、と、隣で若者が携帯電話に興奮しながらまくしたてている。それを見ながら、不謹慎にも思い出してしまったのは、パーティー・ルームのことだった。これはどういうことかというと、アパートを探している時に気がついたんだけど、ミネアポリスでは、規模の大きいアパート(日本だとマンション)には必ず、パーティー・ルームというパーティーのための共用の大部屋みたいなのがついてくる。それを見たとき、ミネアポリスはやっぱりLAよりも刺激がなくて退屈かも、という考えが一瞬ちらっと浮かんだことがあって、で、感情のベクトルの向きは違うけど、この事件も、やっぱり「ハレ」みたいな盛り上がり方をしているのかなあ、と思ったわけだ。*1

ま、それはさておき、最初は「LAならレストランとかクラブ借りきるよな」とか思ったんだけど、実はこんなところが、ミネソタのより「人情味のある」ところなのかもしれない。実は僕も、そういうCozyなパーティが結構好きだったりする。

*1:追記:この次の日St.Paulに行ったんだけど、比べてみると、やっぱりミネアポリスは田舎じゃなくて大都市だなあと思った。だから、この感想は筋違いかもね。